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「黒薙(くろなぎ)」駅と黒薙支線


森石を出た列車は、黒部川の支流黒薙川にそって進む。その先にある駅が黒薙である。
黒薙は本線で唯一行き違いの出来ない駅であるが、関西電力の専用線である黒薙支線が分岐している。 谷側にホーム一面を持ち山側は全て断崖である。駅ホームの大部分はスノーシェイドに覆われており、 欅平側の先端部のみが外部に露出している。 この部分に黒薙支線の分岐があり、分岐して直ぐにトンネルに入ることになる。
黒薙支線は黒薙から黒薙川にそって上流の二見(黒薙第二発電所)へ至る関西電力の専用線で、単線非電化である。 工事用の不定期列車のみが運行され、列車の牽引にはDD24等のディーゼル機関車があたる。
話を黒薙駅にもどす。
駅の欅平方先端は急カーブで黒薙川を渡る後曳橋(あとひきばし)に向かっている。 ここは黒部峡谷鉄道で最も高さのある橋梁であり、絶好の景勝スポットとなっている。
また、黒薙温泉への最寄駅であることから一般旅客の乗降が可能であるが、 乗車券類の発売や、乗車整理券の発行も行われていない。 したがって、乗車時には空いている席に乗車し、下車駅で清算する方式となる他、宇奈月からの当日往復の場合は往復乗車券を購入することになる。 このような営業形態であることから、紅葉シーズン等のピーク時には下車したは良いが、乗車できなくなる(帰れなくなる)可能性があり、 当駅での下車は、必ずしも推奨できない・・・というのが実情である。 閑散期に発売される企画乗車券「とくとくきっぷ」でも、当駅での途中下車は出来ないこととなっている。 現実問題として、前述のような立地条件であるため「ホームしか無い」という表現がぴったりの駅であるうえ、 黒薙温泉までは山道を徒歩20分の距離があり、多数の乗客を扱えない事情もある。
ただし、宇奈月から短時間の乗車で到達可能であることから、当駅折り返しで利用する個人客も少なくないようである。


ホームは大部分がスノーシェイドに覆われている。 また、駅施設としてはホーム上に小さな建屋があり、内部は駅務室、待合室、トイレがあるのみで、売店は勿論、自動販売機も無い。


下り場内信号機を見ると、本線と黒薙支線の進路があることがわかる。
欅平よりのホーム途中から黒薙支線は分岐しており、分岐してすぐにトンネルに入って行く。 逆に本線はホーム先端から直ぐに黒薙川を渡る後曳橋につながっている


沿線でも有数の景勝スポットである後曳橋
観光ポスターやガイドブック等で目にする機会も多い。


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