観光鉄道として有名な黒部峡谷鉄道ですが、その始まりは黒部川の電源開発に必要な資材、人員の輸送でした。 開発そのものが一段落した現在でも、沿線に点在するダム、発電所等の電力施設へは黒鉄が唯一の交通手段であり、 施設の維持、管理の為、黒鉄が活用されています。 このため、宇奈月から欅平に至る本線の他、発電所等の施設へ向かう専用線が多数存在しています。 また本線についても、旅客営業を行わない施設向けの駅が多数存在しています。 そして、これらの路線は一般の鉄道とは違った独特の趣を持っています。 というのも、現代にあっても自動車の通行可能な道路が存在しない、険しい峡谷をつたう為、 路線の冬季運休や、運休期間中の鉄橋、架線の撤去など、常識では考えられない運営状況にその特色が現れています。 このような厳しい条件に対応し、ATS、列車無線等の安全施設も他の地方鉄道と比較して早くから整備されており、 中小ローカル私鉄とは異質な雰囲気を漂わせています。 本ページでは、これらの特色ある施設について解説します。 |
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