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「欅平(けやきだいら)」駅と
インクライン側線・新黒部川第三発電所への引込線


小屋平を出ると、そのまま黒部川左岸を進み、本線の終点である欅平にいたる。
欅平はホームは一面しかないものの、乗車ホームと降車ホームに区切っており、狭隘な構内で最大の運行本数を確保するよう工夫されている。
下り列車の到着時には、既に上り列車となる編成が準備を整えており、下り列車到着後直ぐに乗車ホームへと入線してくる。 上り列車が発車した後は、到着編成の機廻し、転線を行って、次の到着列車を待つことになる。
駅の宇奈月方にはインクライン側線がある。 これは貨車をそのまま搬器とするインクラインで、駅に隣接するものの谷の下にある黒部川第三発電所への引込線となっている。
一方、駅の際奥にはトンネルがふたつあり線路が延びている。 右側のホームからそのまま続く線路は、上部線へ連絡する竪坑エレベーターのある欅平下部へ続いており、 左側の線路は、上流よりにある新黒部川第三発電所への引込線である。
駅では乗車券類の発売と当駅乗車列車の乗車整理券発行を行っている。 宇奈月で欅平往復の乗車券を購入したとしても、帰りの列車の指定(乗車整理券の発行)は乗車駅で受ける仕組になっていることから、 到着した乗客たちは、周辺の散策に先立って、まずは窓口に向かう・・・という姿が見られる。
このほか、コンコースには土産物などの充実した売店があり、2階にはレストランも営業している。


土産物等が充実した売店の他、二階にはレストランがある。


下り列車が到着すると、直ぐに上り列車が出発ホームに入線してくる。
また、狭隘な敷地に駅が建設されているため、到着列車の機関車はホームにかからず、その先の分岐器上にまでかかって停車する。
機関車が停車中のスノーシェイドの先にはトンネルがふたつあり、 右側のトンネルは、上部線へ続く竪坑エレベーターのある欅平下部へと続く。 一方、左側のトンネルは新黒部川第三発電所へと続く。


黒部川第三発電所へと続くインクライン側線
線路がー!と叫びたくなってしまいます。 貨車を直接インクラインの搬器として使用する仕組で、普通にはちょっと考えられないような設備です。


稼動中のインクラインの様子
貨物を積載したオト形貨車にワイヤーが接続され、黒部川第三発電所から欅平駅に引き上げられていきます。


中央手前、欅平駅の下部に見えるのが黒部川第三発電所、その奥、上流側に見えるのが新黒部川第三発電所


欅平下部
奥に見えるR形客車は33列車(定期工事列車)の一部で、欅平常駐のED(凸)形により地上部から進入してきたところである。 この写真の撮影場所の背には、上部線へと続く竪坑エレベーターがある。


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