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「阿曽原(あそはら)」駅


 折尾谷を出て次の駅が阿曽原である。
 やはり駅全体がトンネル内であり、行き違い可能な側線を有しているが、 通常ダイヤでは行き違いは無く、全列車が通過となっている。
 当駅周辺と次の仙人谷駅までの区間が、吉村昭の小説で有名になった高熱隧道と呼ばれる区間である。 建設時は岩盤温度が160度を超える異常高温により、大変な難工事であったと伝えられている。 現在は当時よりも温度は低下しているが、それでも非常に蒸し暑く、高温の湧水に加え硫化水素などの火山性ガスも噴出している。 こういった劣悪な環境の為、施設の腐食進行が非常に早く、レールの水洗いを定期的に実施しているとのことである。 それでもレール交換周期は2年程度という驚くべき短期間である。 また、上部線の車両も、この区間での安全性を考慮した構造となっている。
 当駅付近からは阿曽原横坑が分岐しており、横坑出口付近には阿曽原小屋(山小屋)がある。 この小屋には温泉を利用した露天風呂があるが、その源泉は高熱隧道、 つまりトンネルから排出される高温の湧水が温泉として利用されているのである。


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