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3000形(P形)客車



 

ボハ3002
ボハ3002 2007年6月撮影




 

 鋼製の密閉型車体を持ち、2軸ボギー台車を2組履く固定編成客車で、1986年(昭和61年)アルナ工機でボハ3002 1両が製造された。
 車体は幕板部から屋根へと続く天窓と、車端部コーナーに曲面窓を設け、眺望を重視した作りになっている。文献2によると、この天窓は厚さ8mmポリカーボネイト製で、重量40kgの岩が20mの高さから落下しても大丈夫な強度を有しているとされる。その他の側窓は開閉可能で一段下降式、電気機関車からの電源供給により動作する暖房を有するが、冷房は装備せず、換気装置を妻面上部に装備している。車内は登場時は固定クロスシート(ボックスシート)であったが、現在は1+2配置の転換クロスシートに改造されており、定員は18名、公式HPに登場時の固定クロスシート時代の写真がある。営業上は「パノラマ車」と称し、乗車には運賃の他に料金が必要である。
 2000形(A形)に続くハイグレード車として期待されたが、天窓の清掃に難があり1両のみの製造に留まり、その後の密閉型客車はR型に移行した。2000形(A形)の第4編成の欅平方から2両目(9号車)に組成され、一般旅客列車のみに運用される。


 

ボハ3002 2007年7月撮影 柳橋にて
妻面に換気装置があるのがわかる。




 

趣味的にみたポイント
■組込位置の変更
 前述の通り、2000形(A形)第4編成の欅平方から2両目(9号車)に組成されているが、営業開始当初は3両目(10号車)に組成されていた。
 この組成変更にともなって、元々2両目(9号車)に組成されていたボハ2032が3両目(10号車)に移動しており、編成内の番号順序が崩れている。組成換の時期は不明であるが、文献4に10号車組成時の写真が掲載されており、取材日は2001年6月14日と記載されている。また、私は2003年シーズンには9号車に組成されているのを目撃している。したがって、2002年ないし2003年のシーズンからと推定される。

■車両番号のナゾ
 3000形(P形)客車は、前述のとおり1形式1両の存在である。
 一般的にはボハ3000ないしボハ3001といった形式番号になると想像されるが、現車の番号はボハ3002である。
 これは推測であるが、3000形(P形)のみの固定編成組成を目指し、黒鉄における固定編成客車の附番ルールにしたがって、3001はボハフの番号として、3002を与えたが、結局のところ先行車1両のみの製造で終了してしまった・・・。という事ではないだろうか?



諸元
車種 ボハ3000形
(ボハ3002)
7300
1675
2420
自重 3.90t
定員 18名




 

 
編成表
 
←宇奈月
 
欅平→
ボハフ2036 ボハ2035 ボハ2034 ボハ2032 ボハ3002 ボハフ2031

 




 

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