2500・2550・2800形(R形)客車 |
ボハ2513 2007年6月撮影 |
鋼製の密閉型車体を持ち、2軸ボギー台車2組を履いた固定編成客車で、転換クロスシートを備えた新時代の主力客車である。一般旅客列車のほか工事用列車にも使用され、また一般旅客列車には使用されない関西電力専用車も存在しており、営業上は「リラックス車」と称している。 1988年の初登場から1994年(平成6年)の最終増備車までに着々と製造されたが、関西電力専用車の存在や、途中での設計変更により、その形態は一様ではない。 |
ボハフ2500形・ボハ2500形 |
新時代をになう特別車両として1988年に初登場した固定編成客車であり、ボハフ8両とボハ14両の計22両が在籍する。 編成の両端を緩急車ボハフ2500形、中間をボハ2500形とした6両固定編成で、欅平よりを8号車、宇奈月よりを13号車とするのを基本としているが、工事用列車のみに使用される車両は、必ずしも6両固定編成ではない。各車両の番号は、1000形(B形)、2000形(A形)と同様に、6両固定編成を組んだ場合に、ボハフ・ボハを区別しない編成毎の通し番号となっている。 前述のとおり鋼製の箱型車体を持ち、車体側面中央部に乗降用の引き戸を備える。ドアの開閉は自動。また、ボハフは独立した車掌室を備えており、乗務員ドアを備えている。窓は戸袋部を除いて手動で開閉可能で、一段下降式。台車は1000形(B形)、2000形(A形)と同様に枕バネの無いタイプの2軸ボギー台車だが、フレーム形状等が異なり、NK101という形式を有している。 連結器も1000形(B形)客車と同じ大容量緩衝装置付きのタイプで、乗り心地は良い。 電気暖房を備えており、電源は機関車から供給を受ける。冷房は装備せず、妻面上部に手動開閉式のベンチレーターを備える。 座席は1+2配置の転換クロスシートで肘掛は無い。定員はボハが21名 ボハフは18名となる。一般旅客列車では「リラックス車」として営業しており、運賃の他に料金を徴収している。 当初、1988年に第一編成6両が新製された後、増備は2800形に一旦移行したが、結局2800形は1編成しか製造されず、その後の増備は2500形に戻っている。 |
ボハ2550形(ボハ2552、ボハ2553) |
ボハ2553 2007年7月撮影 妻面のジャンパ栓受張出と尾灯に注目。 |
関西電力専用車として、1989年にボハ2552が、1990年にボハ2553が新製されている。 一見ボハ2500形と同様の車両に見えるが、手ブレーキを有し、床下には手歯止も装備している。また、ボハ2552の欅平方とボハ2553の宇奈月方の妻面には、ボハフのような形状のジャンパ栓納めの張出があり、尾灯も装備している。文献3に1992年撮影のボハ2553の写真が掲載されているが、これには前述の妻面の張出が見られず、これは後年に改造されたものであると思われる。 このほか、当形式は単独での使用や、貨車との編成となることを考慮して、乗降ドア付近に自車のドア開閉用スイッチを設けている。このため、当形式が一般旅客列車に充当されることはない。 |
ボハ2553の車内 2007年5月撮影 欅平下部(縦坑エレベーター前)にて 黒部ルート見学会参加時に乗車して撮影しました。 わかりずらいですが、ドア横にドアの開閉スイッチがあります。 |
ボハフ2800形・ボハ2800形 |
ボハ2805 2007年6月撮影 屋根肩部の天窓が2500形との違い。 |
2500形(R型)の改良増備車として1990年に6両1編成が登場した。2500形と同様にR型を名乗る。 2500形からの変更点は屋根の肩部に斜め上を向いた天窓を設けたことで、この形状変更に伴って側窓の位置が全体に低くなっている。眺望を重視した改良であったが、その後の増備は2500形に戻っており、その理由は天窓の清掃に難があった為と言われている。2500形と共通運用され、一般旅客列車主体に運用されている。 |
車種 | ボハフ2500 | ボハ2500 | ボハ2550 | ボハフ2800 | ボハ2800 |
長 | 7400 | 7300 | 7400 | 7300 | |
幅 | 1675 | ||||
高 | 2420 | ||||
自重 | 4.10t | 3.90t | 4.00t | 4.10t | 3.90t |
定員 | 18名 | 21名 | 18名 | 21名 |