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ハ(170〜)形 客車
左から ハ175・174・173・172・171 2008年8月撮影 欅平上部にて
欅平上部にて充電中の姿。各社の車内にケーブルが延びている。



 本線にも開放型、密閉型2種類のハ形客車が存在するが、 本ページでは現在上部線で運用されているハ(170〜)形について解説する。
 資料がなく詳細不明であるが、1998年〜2006年にアルナ工機、アルナ車両で新製され、  170〜179の10両が在籍する模様。
 2軸固定の走り装置に密閉耐熱構造の車体を有し、ブレーキ装置は空気ブレーキの他、手ブレーキを備える。 乗降ドアは片側の側面に1箇所のみで、手動開閉式、ロック機構等はない。 ドアの位置は欅平構内基準で谷側、黒部川第四発電所前よりとなっている。 車内はロングシートでドア前に折り畳み式の補助席を備え、定員は12名。 現実には12名の乗車は困難な広さで、見学会では1両あたり10名程度までの乗車とし、 補助席にはガイドが着席する。 冷暖房装置は装備しないが、換気装置として妻面に手動開閉式のベンチレーターを備えている。
 上部線の高熱隧道区間を走行するため、車体は耐熱構造となっているほか、 ブレーキ弁装置等を車内シート下に取り付けており、床下機器は最小限として腐食に留意している。 室内灯の電源も車内に装備したバッテリーとなっており、 欅平上部では車内にケーブルを引込んで充電する姿を見ることができる。
 装備面での最大の特徴は窓ガラスに取り付けられたワイパーがある。 このワイパーは手動式で、ドアおよび戸袋窓を除く全ての窓ガラスに装備されているが、 車外、車内、両方にブレードが付いているユニークな構造である。 これは気温の低いトンネル内では車内が曇り、逆に高温多湿の高熱隧道では車内が曇ることへの対策である。



車内はロングシートであるが非常に狭く、低い天井が視覚的にも狭い感じをあたえる。
ドア付近には補助席をそなえている。写真では人物の影になって見辛いが、妻面には手ブレーキハンドルがある。



特徴的なワイパー
手動操作で、車内、車外、両方を一度に拭くことができる。



諸元
車種 ハ形(170〜179)
不明
不明
不明
自重 2.03t
定員 12名



各車詳細
ハ170
新製1998年 アルナ工機
ハ171
写真なし 新製年不明 アルナ工機またはアルナ車両
ハ172
新製年不明 アルナ工機またはアルナ車両
ハ173
新製年不明 アルナ工機またはアルナ車両
ハ174
新製2004年 アルナ車両
ハ175
新製年不明 アルナ車両
ハ176
新製2006年 アルナ車両
ハ177
新製2006年 アルナ車両
ハ178
新製2006年 アルナ車両
ハ179
新製2006年 アルナ車両



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